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ワクチンの案内

  • 予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。定期接種のワクチンとは、「予防接種法」と呼ばれる予防接種の規則を決めた法律に書かれているワクチンのことで、公費で接種可能です(一部自己負担あり)。任意接種のワクチンは、国がそれを使うことを認めているものの、「予防接種法」で規定されていないワクチンのことです。接種に必要な費用は、原則、個人が負担します。
  • 高齢者の季節性インフルエンザと高齢者の肺炎球菌ワクチンは定期接種の対象で、年齢等の条件を満たせば一部自己負担で接種可能ですが、定期接種対象外の年齢の方々も、公費負担はありませんが接種を受けることができます。
  • コロナウイルスワクチンは令和6年度から定期接種に位置付けられます。
  • 当院では以下のワクチンを接種可能です。

定期接種

任意接種

肺炎球菌ワクチン

肺炎は日本の死亡原因の第5位であり、成人の肺炎の約2~3割は、肺炎球菌という細菌によって引き起こされるといわれています。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぎます。

[使用するワクチン]
ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)
*23種類の血清型の侵襲性肺炎球菌感染症を4割程度予防する効果がありますが、全ての肺炎を防ぐものではありません。

[定期接種の対象者]
本来、肺炎球菌感染症予防接種の対象年齢は65歳となっています。しかし、十分な接種機会を確保できなかったとして、国は令和5年度までは65~100歳までの5歳刻みの年齢(65・70・75・80・85・90・95・100歳)を対象とする経過措置をおこなってきました。令和6年度以降は経過措置が終了するため、対象者が以下のとおりに変更になります。
但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません。
鹿島市内に住民登録があり、接種日現在で次のいずれかに該当する方。
①65歳の方
②60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方
③60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

[接種回数]
1回のみ。

インフルエンザワクチン

インフルエンザ予防接種は、インフルエンザ感染や発症そのものを完全には防御できませんが、重症化や合併症の発生を予防する効果が証明されています。予防接種を受けてからインフルエンザに対する抵抗力がつくまでに2週間程度かかり、その効果が十分に持続する期間は約5か月とされています。より効率的に有効性を高めるためには、毎年インフルエンザが流行する前の12月中旬までに接種を受けておくことが必要です。

[定期接種の対象者]
鹿島市内に住民登録があり、接種日現在で次のいずれかに該当する方。
①65歳以上の方
②60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方
③60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

[接種回数]
標準的な接種回数は、1回です。
2回目以降の接種を希望する場合は任意接種となり、全額自己負担です。

コロナウイルスワクチン

新型コロナワクチンの全額公費による接種は令和6年(2024年)3月31日で終了しました。
令和6年度秋冬に、自治体による定期接種が始まります。

[使用するワクチン]
新型コロナワクチンの種類(ワクチンに含まれる株)は、当面は毎年見直すこととされています。
*新型コロナワクチンと他のワクチンとの同時接種については、特に医師が必要と認めた場合に可能です。また、他のワクチンとの接種間隔に制限はありません。

[定期接種の対象者]
鹿島市内に住民登録があり、接種日現在で次のいずれかに該当する方。
①65歳以上の方
②60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方
③60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

詳細は下記サイトをご参照ください。

帯状疱疹ワクチン

日本人成人の90%は帯状疱疹の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を持っています。これは、多くの人が子供の時に発症する水ぼうそうが水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によるものであり、この際に抗体が作られるためです。しかし、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏していて、過労、ストレス、糖尿病やがんなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。50歳代から発症率が高くなり、70歳代でピークとなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。発症すると、体の片側の一部にピリピリとした痛みが現れ、その部分に赤い発疹が出てきます。症状の多くは主に上半身にみられますが、顔や目、頭にも現れることがあり、重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺など、重い後遺症が残る可能性があります。また、神経の損傷がひどいと、皮膚の症状が治った後も、痛みが続くことがあります。皮膚の症状が治った後も、3カ月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)とよびます。50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。特に高齢者ではリスクが高く、PHNを防ぐためにも帯状疱疹の予防が必要です。

[使用するワクチン]
シングリックス(一般名:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)
*効果は10年間持続することが確認されています。

[対象者]
50歳以上の方で、年齢に上限はありません。

[投与スケジュール]
50歳以上の成人に1回0.5mLを2カ月間隔で2回、筋肉内に接種します。1回目の接種から2カ月を超えた場合でも、6カ月後までに2回目の接種をすれば大丈夫です。

B型肝炎ワクチン

成人がB型肝炎ウイルスに感染すると、一部の方が急性肝炎を発症し、稀に劇症肝炎を引き起こし死亡する場合があります。また、多くの方は急性肝炎の後治癒しますが、一部の方は持続感染(キャリア)になるといわれています。キャリアのうち、10~20%は長い年月を経て慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝がんなど命に関わる病気へと進行してしまう可能性があります。
何歳でも接種は可能ですが、接種年齢が若いほど高い抗体価を獲得できるとされ、20歳までに接種すれば90%以上、40歳の接種だと約80%、60歳を過ぎてからの接種だと50%以下の免疫獲得率となっています。

[使用するワクチン]
ビームゲン(もしくはヘプタバックス®-Ⅱ)

[対象者]
①医療者、介護士、保育士、救命士、レスキュー隊など、人の血液、体液に触れる可能性のある職業
②B型肝炎キャリアの同居家族や性的パートナー
③透析治療を受けている方
④臓器移植を受けている方
⑤海外長期滞在の方

[接種回数]
通常、3回接種を行います。
(4週間隔を空けて2回、さらに、一回目の接種から20~24週後に1回の計3回を接種します。)

麻しん風しんワクチン

「麻しん」は麻しんウイルスによって引き起こされる感染症で、一般的には「はしか」と呼ばれることもあります。感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
症状は感染の約10日間の潜伏期間の後に、38℃程度の発熱や咳、鼻水といった風邪症状が現れ、2~3日発熱が続いたあと、39℃以上の高熱とともに発しんが出現します。発しんの出現する前後1~2日には、ほほの粘膜に、コプリック斑と呼ばれる小さな白色の斑点が観察されることがあります。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
麻しんの予防のためには、予防接種が最も有効な予防方法といえます。

「風しん」は、風しんウイルスによる感染症で、強い感染力を有します。風しんウイルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。風しんの症状は、子どもでは比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、2,000人~5,000人に1人くらいの割合で発生することがあります。また、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。
また、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあります。
風しんの予防のためには、予防接種が最も有効な予防方法といえます。

ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が風しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、追加のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。

[使用するワクチン]
乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン
*在庫状況により、麻しんもしくは風しん単独ワクチンになることもあります。

[対象者]
<麻しん>
「麻しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない方」が対象となります。
*平成12年4月2日以降に生まれた方は、定期接種として2回の麻しん含有ワクチンを受ける機会がありますが、それ以前に生まれた方は、定期接種として1回のワクチン接種の機会があった、もしくは定期接種の機会がなかった方となります。そのため、医療関係者や児童福祉施設等の職員、学校などの職員など、麻しんにかかるリスクが高い方や麻しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。

<風しん>
「風しんにかかったことがなく、ワクチンを1回も受けたことのない人」が対象となります。
*過去の制度の変遷から、平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回も受けていません。
妊娠を希望する女性や、抗体を保有していない妊婦の家族のうち、今までに明らかに風しんにかかったことのない人も、抗体検査を受けて、抗体価が低い場合には接種を検討しましょう。
また、医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、風しんにかかるリスクが高い人や風しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の予防接種についてかかりつけの医師にご相談ください。

麻しんの単独ワクチンもしくは風しんの単独ワクチンの代わりに麻しん風しん混合ワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。ただし、麻しん風しん混合ワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。

[接種回数]
4週間隔を空けて2回接種します。
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