【診療内容】
【対象となる病気】
- 胃食道逆流症
- 食道・胃静脈瘤
- 食道がん
- 胃・十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ感染症
- 胃ポリープ、胃がん
- 虚血性腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)
- 大腸憩室出血・憩室炎
- 大腸ポリープ、大腸がん
【症状について】
- 消化管疾患(食道~胃・十二指腸)による症状
胸やけ、胃もたれ、飲み込みの違和感、食欲がない、吐き気、吐血、腹痛 - 消化管疾患(小腸~大腸)による症状
下痢、便秘、便が細い、赤い便(血便)、黒い便(黒色便)、腹痛
上記症状に加えて発熱、体重減少も重要なサインになります。
【当院で実施可能な検査】
当院では主に以下の検査で、診断・治療を行います。
- 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
- 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)
<上部消化管内視鏡(胃カメラ)>
口から内視鏡を挿入し咽頭、喉頭、食道、胃、十二指腸を調べる検査のことです。また内視鏡検査を通じて、ヘリコバクター・ピロリ感染症の可能性についても診断します。そこで必要があれば詳しい検査を追加して、正確な感染の有無を診断します。当院の内視鏡検査は、鎮静剤を使用することで、楽にお受けいただくことが可能です。
*経鼻内視鏡も可能ですので、ご希望の方はご相談ください
1)検査前日
- 翌日の検査開始時間、来院時間について病院から電話連絡があります。
- 通常は前日の21時以降から検査終了まで絶食となります。それ以降の食事は控えてください。水やお茶などの水分摂取は構いません。飲酒はしないでください。夕食後や眠前の常用薬は服用頂けます。
2)検査当日
- 検査当日の朝は食事を摂らないで下さい。水やお茶のみは結構です。
(降圧剤などの内服薬に関しては、事前に主治医に相談ください) - お薬として脳梗塞、心疾患予防のため、血液をさらさらにする薬(抗血栓薬など)を内服している方でも、内視鏡検査を受けるだけ(観察だけ)の場合には基本的には休薬は必要ありません。休薬の可否に関しては主治医とご相談ください。
- 検査当日の朝は、血糖を下げる薬は飲まないでください。インスリンも投与しないでください。
3)検査の流れ
- 前処置室で、胃の中の泡を消して、観察しやすくするための消泡剤を飲みます。
- 麻酔薬をのどに3-5分間溜めたて咽頭麻酔します。
- 検査室に移動したら、ベルトを緩め検査台の上で、左側を下にして横向きに寝ます。
- 必要に応じて胃の運動を止める薬、緊張を和らげる薬(鎮静剤など)を注射します。
- マウスピースをくわえ、内視鏡が口より挿入し、検査が始まります。
- 肩・首・のどの力を抜いてください。唾液は呑み込まずに口から外に出してください。げっぷはなるべく我慢してください。通常検査は5-10分前後で終了します。
4)検査後
- 検査後は、気分不良なければすぐに帰宅可能です。
- 鎮静剤を使用した場合には、検査終了後約2時間程度安静が必要です。また、検査当日は車、バイク、自転車での来院はご遠慮ください。
消化管出血を認めた場合には以下のような治療も実施しています。
- 止血クリップ法
- 高周波凝固止血
- 純エタノール局注法
- HSE(高張食塩・エピネフリン溶液)局注法
- APC(アルゴンプラズマ凝固療法)
<下部消化管内視鏡(大腸カメラ)>
肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸(一部小腸)を調べる検査のことです。当院の内視鏡検査は、鎮静剤を使用することで、楽にお受けいただくことが可能です。
1)検査前日
- 翌日の検査開始時間、来院時間について病院から電話連絡があります。
- 腸管の中を観察しやすくするため、食事は低残渣食を食べてください。飲酒はしないでください。食べてよいもの、食べてはいけないものについては事前に説明があります。
- 通常は前日の21時以降から検査終了まで絶食となります。それ以降の食事は控えてください。水やお茶などの水分摂取は構いません。夕食後や眠前の常用薬も、通常は服用頂けますが、糖尿病の方は血糖を下げる薬の内服やインスリンの注射について、事前に主治医に相談ください。
- 処方された下剤を21時に内服してください(検査開始時間によっては服用時間が異なるので、病院からの電話連絡の時にお伝えします)。
2)検査当日
- 検査当日の朝は食事を摂らないで下さい。水やお茶のみは結構です。
(常用薬は事前に主治医に相談ください) - お薬として脳梗塞、心疾患予防のため、血液をさらさらにする薬(抗血栓薬など)を内服している方でも、内視鏡検査を受けるだけ(観察だけ)の場合には基本的には休薬は必要ありません。休薬の可否に関しては主治医とご相談ください。
- 検査当日の朝は、血糖を下げる薬は飲まないでください。インスリンも投与しないでください。
3)検査の流れ
- 検査着に着替えます。大腸内視鏡検査専用のパンツを履いていただきます。
- 鎮静剤をご希望の場合は、鎮静剤を注射し、検査開始となります。
- 左側を下にしてベッドに横になり、肛門から内視鏡を挿入します。
- 盲腸まで挿入した後、抜きながらモニターに映る大腸の内部を観察します。
- 必要に応じ色素を散布したり、組織採取(生検)を行うこともあります。
- 一通り観察を終えたら検査は終了。個人差はありますが検査時間は30-40分程です。
4)検査後
- 検査後は、気分不良なければすぐに帰宅可能です。
- 鎮静剤を使用した場合には、検査終了後約2時間程度安静が必要です。また、検査当日は車、バイク、自転車での来院はご遠慮ください。
【消化管の病気について】
<食道~胃の病気>
<大腸の病気>
【消化管疾患の治療について】
当院では胃・大腸ポリープ・早期がん、食道・胃静脈瘤の内視鏡治療が可能です。
「胃・大腸ポリープ・早期がんの治療」
内視鏡検査で発見されるポリープとして、胃ポリープと大腸ポリープがあります。放っておくとがんになるリスクがあるポリープの場合、切除することによりがん予防につながります。ポリープの大きさや形、個数、病理組織(細胞)の違いによって最適な切除方法を選択します。当院ではポリープや早期がんについて、以下のような内視鏡的治療に力を入れています。
コールドスネアポリペクトミー(cold snare polypectomy:CSP)
ポリープにワイヤー状のスネアと呼ばれる輪をスコープの先から出して、ポリープの根元をしばり、通電せずに切除します。熱による通電をしないことから、周囲組織の熱ダメージがなく、合併症を軽減できます。従来のポリープ切除の方法は、ワイヤーをポリープに引っ掛けて高周波の電流で焼き切る方法でした。CSPだと出血や穿孔(腸に穴があく)などの合併症の危険性が低いことが大きなメリットです。日帰り治療も可能ですが、数が多い場合などは入院して実施します。
内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)
①
②
③
④
病変の下に生理食塩水などを注入し、病変の粘膜を持ち上げて人工的に隆起をさせて、ワイヤーを引っ掛けて病変を高周波の電流で焼き切る方法です。短時間で治療でき、治療自体の安全性は高いですが、大きな病変を一括で切除することが難しいことがあります。入院治療になります。
内視鏡的粘膜下層はく離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)
範囲の広い早期がんや大きいポリープを内視鏡下で安全に電気メスで切除する方法です。大きい病変でも一括で切除できるメリットがありますが、EMRに比べて治療時間がやや長くなり、出血や穿孔などの合併症の危険性もあるため、入院して実施します。
*当院では主に胃の病変を対象としています。
「食道・胃静脈瘤の治療」
慢性の肝臓病患者さんにとって、出血の危険性のある食道や胃の静脈瘤は、場合によって生命を左右することもあるため、それを未然に防ぐための治療が必要です。
当院では以下のような内視鏡的治療に力を入れています。
内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy:EIS)
内視鏡(胃カメラ)を用いて食道静脈瘤やその周囲に硬化剤を注入し、静脈瘤をつぶしてしまう治療です。
内視鏡的静脈瘤結さつ術(endoscopic variceal ligation:EVL)
内視鏡(胃カメラ)を用いて静脈瘤をゴムバンドで縛ってしまう治療です。
バルーン閉塞下逆行性静脈瘤塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration:B-RTO)
経皮経肝食道静脈瘤塞栓術(Percutaneous Transhepatic Obliterance:PTO)
いずれも、胃静脈瘤の治療法です。